2012年04月08日
【RWC2011 in NZ⑨� align="left"/> ヘリコプターや飛行艇による遊覧ツアーでは雄大な火山景観と豊かな森林が一望できます。
湖上の食事付きクルーズツアーも人気だそうです。専用ボートに乗って天然マス釣りも有り。
湖畔に建つセント・フェイスス教会と湯煙立つ温泉、そしてモコイア島…。郷愁漂う光景です。
時刻は昼下がりの午後2時を回ったところ。もうお馴染みとなったロトルア観光案内所前のバス発着所では、新たにまみえる異国のサポーターがすでに集結していました。目指すはこちらと同じくネイピア。4年前にも見覚えのある「メープルリーフ」が映える国旗を手にする彼らはカナダサポーターです。同代表はすでに現地入りしてから1週間余り、18日(日曜日)のフランス戦は敗北を喫したものの移動日なく日本戦に余裕を持って臨むことができます。その対フランス戦が行われた地に再び舞い戻るカナダサポーターにしてみれば、これからバスで向かうネイピアは慣れ親しんだ街。客席のうち彼らが陣取る一角からは、まるで里帰りしているかのようなアットホームな雰囲気が伝わってきました。一方、3戦を終えて未勝利の日本代表� ��サポーターは、やはり21日のトンガ戦に敗れたショックを拭い切れていないからか、全体的に数が少ない上に心なしか元気がありません。何はとも有れ、バスはタウポ湖畔を経由して、ここから約143km先のネイピアを目指して南下していきます。 北島のほぼ中央に位置するタウポ湖を眺めながら、一行は目的地のネイピアに向かいます。
途中、目を遠くに移せば見えてくるのがユネスコ世界自然遺産・トンガリロ国立公園の山々。
陽が沈んで辺りは暗闇に包まれてきた中、ようやく終着点にたどり着きました。2日前の夜と打って変わって市街地は思いのほかにぎわっています。しかるに滞在先のドミトリー内に漂うのは張り詰めた空気…。それもそのはず、今晩の宿泊者のほとんどはチームカラーである"赤と黒"を身にまとったカナダサポーター。私に割り当てられた4人部屋も、内訳はカナダ人(豪州メルボルンに留学中の大学院生・カルガリー出身の大学生)と私を含む日本人それぞれ2人ずつでした。W杯開幕から1ヶ月弱、フランス・ニュージーランド・トンガといったプールA同組対戦国のサポーターと寝食ともにする機会が何度かありましたが、「お互いの健闘を祈るよ!」や「白熱した試合を期待しよう!」と声をかけられたように、実に和気あいあいとし� ��雰囲気でした(建前、あるいは格上としての余裕も多少はあるかもしれませんが…)。ところが、実力が拮抗するチームが相手となればライバル意識が一層強くなるからでしょうか。20年ぶりのベスト8進出を目標とする「メープルリーフ」ことカナダ代表の勝利に対する実直な思いにはいささか驚きました。球技に関して言えば、国技のアイスホッケーを除けばあまり普及していないカナダだけあって、彼らにとってみれば、メジャーな国際大会の舞台で唯一存在感を示せるのがラグビーなのかもしれません。いずれにしても日本代表にとって、明日の試合が従来の予測よりもハードな展開になるのは間違いなさそうです。 ■初夏を感じさせる陽光と青い空、そして独特の情緒漂う「アールデコ・シティー」の美しい街並み 外から窓越しに降りそそぐ光で目を覚ますと感じる日差しの心地よさ…。本日は初夏の訪れを感じさせる、文字どおり雲一つない快晴です。温暖な冬に加えて、清々しくからっとした夏…。四季を通じて過ごしやすい気候、そしてアールデコ調の美しい歴史的建造物が立ち並ぶこの町には毎年数多くの観光客が訪れます。また、国内でも有数の日照時間を誇るここホークスベイ地方は北島随一のワイン産地としても有名です。余談ですが、日本で知られているティッシュ・ペーパーのブランド「ネピア」が名付けられた由来は、林業及び製紙産業が盛んなネイピアの町名からきています。 昼頃になってようやく町の中心部もだいぶ賑わってきました。試合開始時間は夕方5時。それまでの間、海岸沿いのマリン・パレードや繁華街のエマーソン・ストリートを散策する事にしました。 《MAP》
海岸沿いの通りに面するネイピア観光案内所。モダンなデザインが施された噴水が印象的。
その斜め向かい側、ドーム型の屋根が特徴的な「ローン・スター」は町のランドマークです。
蒸気機関車のような姿の牽引車がマリン・パレード上に颯爽と登場。子供たちは大喜び!
南国ムードあふれる町の繁華街で行き交う人々。カフェはすでにサポーターで満席でした。
1931年にM8弱の大地震に見舞われたネイピア。看板に載る震災前と復興後の白黒写真。
震災によって町は壊滅的な被害を受けるも、アールデコ調の装飾様式による増築で一新。
当時流行していた建築デザインのアールデコスタイルも今となれば非常にレトロな印象。
繁華街から程近いテニソン・ストリート沿いを中心にアールデコ調の建物が集まっています。
道路を跨るように架けられた、町を訪れる日本・フランス・カナダ一行を歓迎する横断幕。
復興の象徴でもあるニュー・ネイピア・アーチ。アールデコ・シティーならではの造りです。
広場に設けられているのは創意工夫を凝らしたミニチュア版の"障害物ラグビー場"。
日本代表ジャージを身にまとった親子連れのサポーター。喜びの表情で見事ゴール!
深緑の渋みが効いた存在感抜群のクラシックカー。ネイピアには一層映えて見えます。
庭園脇の遊歩道に差し込む昼下がりの木漏れ日…。散歩するだけで心が安らぎます。
季節の花々で彩られた花壇の間に広がる、2色に刈り分けられた美しい縞模様の芝生。
爽やかな風に乗って左右に揺れ動く噴水。ビクトリア様式の庭園らしい洒落たデザイン。
ネイピア海岸からホーク湾越しに見えるのが、カツオドリの生息地・キッドナッパーズ岬。
カナダ国旗を背中にまとって散策するサポーター。赤いアフロヘアが可愛らしく見えます。
およそ3時間後に始まる"決戦"に向けて、ビール片手に士気を高めるカナダサポーター。
この日の日本代表は、滞在しているシーニック・ホテルの目前に広がるビーチでトレーニング。
見送りに来たサポーターは5人。対トンガ敗戦も影響して、JK始め代表面々張り詰めたムード。
■「赤」一色に染まったマクリーン・パークでついにJKジャパン見納め…、最後になるもKIWIに感謝 時刻は午後4時。キックオフまでおよそ1時間です。市内各地では実に多くの熱心な"ジャパン"サポーターに出会いました。本日の試合がラグビー初観戦となる女性観光客、大学生、家族連れ、そして日本代表に関してはことさら造詣が深いラグビーマッド…。ここは四季が日本とまるで正反対の南半球に位置する異国の地・ニュージーランド。しかしながらすれ違うたびに見知らぬ人でも皆笑顔であいさつを交わす微笑ましいシーンは、4年に1度のラグビーW杯ならではの光景でした。「応援がんばりましょう!」「ニッポン!ニッポン!…」しかし、こんなやり取りができるのも残念ながら今日まで。本戦がジョン・カーワンHC率いる日本代表にとっての今大会最終戦です。大会前には「最低でも2勝」という目標を掲げてNZに乗り込ん� �きたものの、結果は大方の予想を下回るプール戦3連敗。悲願の決勝トーナメント進出の可能性も断たれてしまいましたが、今宵に限っては私も「ブレイブ・ブロッサムズ」の一ファンとして精一杯応援したいと思います。 スタジアムにはすでに大勢の熱烈な日本サポーターが集結!会場は活気にあふれていました。
さて、試合会場のマクリーン・パークにはお互い「赤」一色に染まった日本とカナダ双方のサポーターに加え、地元住民やネイピア近隣からたくさんのラグビーファンの方々が観戦に訪れました。KIWI(ニュージーランド人の愛称)の専らの関心は、この試合が'87年第1回W杯「オールブラックス」メンバー同士の指揮官対決でもあるという事。現地の新聞記事によると、日本代表ジョン・カーワンHCとカナダ代表キアラン・クロウリーHCはともにオールブラックス時代から旧知の間柄で、どちらに軍配が上がるか注目が集まっているようです。 始めは閑散としていたスタンドもあっという間に満席となりました。いざ、待ちに待ったキックオフです!
試合開始から7分、日本はゴールライン手前のスクラムからトライを奪われ、カナダに先制を許します。インゴール中央に抜け出したのは、今カナダ代表で最も注目を集めるWTBファンデルメルヴァでした。前大会でも日本戦でトライを挙げるなど、相手防御に屈しない力強い走りが売りの28歳は序盤で早速持ち味を発揮。これに対して7点差を追う日本も3分後にすかさず反撃します。スクラムから2回のブレイクダウンを経て攻め上がり、HO堀江が右隅にトライ!SOアレジが難なくCGを決めて同点に追い付きます。その後しばらくは一進一退の攻防が続くものの迎えた前半24分、SOアレジのPGで逆転に成功。40分にはラインアウトから見事なサインプレーが決まり、最後はWTB遠藤がゴールポスト下にグラウンディングして前半を折り返しました(17対 10)。後半も一時はWTBマッケンジーのトライなどでカナダに追い上げられるものの、SOアレジによる2度のPGでリードを8点差に広げます。それでも懸命にハードワークするカナダは追い風も味方して徐々に攻勢に転じると、迎えた75分でした。キックオフ早々に先制トライを奪ったWTBファンデルメルヴァが再び日本の守備網をかき乱したのをきっかけに、SOモンローがインゴールを陥れて点差を3点に縮めます。そのSOモンローが試合終了間際の79分にPGを決めてついにスコアは23対23の同点となってしまいます。結局、勝ち越しを必死で試みる日本の健闘もむなしく、無情にもノーサイドのホイッスル…。この日は終始ブレイクダウンへの詰めが早く、守備陣もトンガ戦に比べてだいぶ安定していましたが…。まるで4年前のフランス大会での同じ� ��カナダ戦を再現したかのような、何とも言いがたい幕切れです。因縁の相手でもあるカナダに対し、またしてもW杯の舞台で引き分けた日本はついに未勝利(0勝3敗1分け)のまま、開催国ニュージーランドを去ることになりました。想像以上に早かったJKジャパンの終焉。試合終了後、スタジアム内には坂本九の名曲『上を向いて歩こう』がむなしく響き渡っていました。 夕焼けの太陽に照らされるマクリーン・パーク。ピッチ中央で最後の円陣を組む代表選手たち。
無念…。それでも常に日本代表に温かい声援を送って頂いたKIWIの皆さんには本当に感謝!
気が付けば暮れ落ちてたちまち暗くなってしまった上空。あの青空の爽快感はいずこに…。
■NZ到着後1ヶ月も満たずに帰国、思い起こすのは「桜」を応援する世界中のファンが抱いた期待 「意地の1勝」というプライドを賭けた最終戦も、最大8点だったリードを守り切れず引き分けに終わりました。同じ引き分けでも執念で追い付くことができた前大会とは意味合いが大きく異なるドロー劇…。おそらくテレビ中継を通じて観戦された皆さんの中には、同じような感想をお持ちの方も多かったはずです。 それでも今回の現地取材ツアーで思いも寄らず感銘を受けたのは、海外にも日本代表を応援しているラグビーファンが多数存在するという事。NZ首都ウェリントンで出会ったのは、ワラビーズをこよなく愛するオージーご夫妻。地元開催だった2003年オーストラリア大会をきっかけにジャパンのファンになったと当時を思い返していました。日本が豪州入りして真っ先に向かった直前合宿地では、縁あって大会運営ボランティアとして代表スタッフと深く交流したそうです。オークランド市内で足繁く通った飲食店では、会うたびにジャパンの各試合の戦いぶりについて語ってくる日本贔屓なサモア出身の男性店員と知り合いました。お気に入りの選手は、サモア代表WTBとしてW杯5大会連続出場の記録を持つ生きる伝説ブライアン・リマ、も� �一人はトップリーグですでにお馴染みのSOトゥシ・ピシだそうです。そして、同郷の元オールブラックス・JKが率いるジャパンに対して期待する現地のニュージーランド人…、程度は違えども世界中のラグビーファンが抱く「桜」に対する思いは実に十人十色でした。言われてみれば、このように日本人サポーター同士ならびに各国サポーターと交流する機会を与えてくれたのも、日本代表のW杯本大会出場があってこそ。今までのカーワン・ジャパンの戦いぶりが私たちに感動と勇気を与えてくれたかどうかは意見が分かれそうですが、最後は心からお疲れ様と言いたいです。外国人選手の起用を巡っては最後まで物議を醸すも、何より大会直前のパシフィック・ネーションズ杯でジャパンは初優勝を飾りました。言うまでもなく代表のた� ��に全力を尽くしてくれたジョン・カーワンHC…、この5年間は本当にありがとうございました。短い間ではありましたが、8月31日の"JKジャパン"NZ入り以来さまざまな場面で分かち合った期待と興奮、そしてあの懐かしい一体感は今後も忘れることはないでしょう。2015年イングランド大会ではきっと雪辱を果たしてくれることを信じ、これからも新しく誕生するラグビー日本代表をしっかりと見守っていきたいと思います。 W杯開幕前、NZオークランド空港に到着する日本代表を出迎えるのは元気な地元の小学生たち。
空港での到着セレモニー終了後、サインをねだられる菊谷主将とカーワンHC。2人とも大人気!
国内外問わず、各メディアのインタビューに対して真摯に応じるカーワンHC。日本語も実に流暢。
翌日オークランド市内中心部にて歓迎式典が催されました。開始前にも関わらずこの盛況ぶり!
独特な紋様が象られた門をくぐれば、待ち受けるのは先住民マオリ戦士による"威嚇"の舞・ハカ。
冒頭ではIRBラパセ会長に続き、カーワンHCが壇上にてスピーチ。母国でのW杯に感慨深い様子。
ステージにずらりと居並ぶ今大会代表メンバー。果たして4年後のW杯での顔ぶれやいかに!?
ファンの前ではいつも笑顔だったJK。いつの日かまた国際舞台で彼の勇姿が見られる事に期待!
<了>
posted by rugby2011_wc20n |09:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
ヒルトップゴルフコースプリマスマイル
2012年03月16日
【RWC2011 in NZ⑧� align="left"/> 無料バスが発着するロトルア・コンベンション・センター前にできた長い行列。
列の最後尾はここから200m先のガバメント・ガーデンズまで続いていました。
待つことおよそ40分。ようやく観光案内所の建物が目の前に見えてきました。
バス降車後に徒歩でスタジアムへと向かう大勢のアイルランドサポーターたち。
本日最初のロシアサポーターを発見!実際は判官びいきな地元のマオリでした。
試合開始1時間前、雨上がりのロトルア・インターナショナル・スタジアムにはすでにほぼ満席!ニュージーランド特有ののんびりとした牧歌的な雰囲気も手伝って、たいていキックオフ直前になってようやく人波が押し寄せる今大会でしたが、やはりそこはアイルランドサポーター!とにかく熱いです!すでに会場内は「『アーイルラーン』コール」でこだまし、再び小雨が降り始めたピッチ上の冷気も吹き飛ばすほどの熱気に包まれていました。 この日のロトルア・インターナショナル・スタジアムはご覧のとおり満席!
ここで気になるアイルランド代表の先発フィフティーンが発表されました。殊勲の勝利となったオーストラリア戦にも出場した、ともに大黒柱であるベテランのLOオコンネル・CTBダーシー・主将CTBオドリスコルが本戦登録メンバー外。さらにチーム屈指のトライゲッターであるWTBボウも休養のため欠場します。司令塔SOセクストンは控えに回り、代わって出場するのがチームキャップ数2位(110)となるSOオガーラ。今大会は先発する機会に恵まれていませんが、かつて不動の司令塔として君臨した大ベテランからすれば、ぜひこの試合で一矢報いたいところ。持ち前の高精度のパスやキックが、3連勝となるチームの勝利へと導くはずです。 一方、対戦相手は今大会が悲願の初出場となるロシアです。すでにプールCでは15日アメリカ戦・20日イタリア戦でいずれも敗北を喫し、依然として未勝利…。残り2試合はともに格上のアイルランドとオーストラリアが相手とあって、NZ大会におけるW杯初勝利達成は厳しい状況ですが、ベアーズ(ロシア代表)には将来性を感じさせるプレーを見せてほしいものです。 キックオフ数分後には雨も上がり、会場には見事な虹が架かっています!
まず、先制点を奪ったのはアイルランド。相手のミスからSOオガーラが難なくPGを決めると続く前半9分、そのオガーラから蹴り込まれたキックパスを受けた右WTBマクファデンがすかさずトライを奪い、CGを含めて7点を追加します。13分にはFLオブライエン、前半終了間際にはブレイクダウンからSHボス、そして左サイドを駆け上がったCTBアールズ、さらに左WTBトリンブルと立て続けにインゴールを割り、36対0という一方的な展開でハーフタイムを迎えました。観客席は、普段でさえも熱狂的なアイルランドサポーターによって一気に沸き立ち、地響きのように次々と迫ってくるウェーブはやむ気配なくあっという間に一回りします。BGMは主催者の粋な計らい(?)によって、"アイルランド出身"ロックバンド・U2の『ヴァーティゴ(Vertigo)� �が流れ始め、場内のムードはもう完全に「シャムロック」一色でした! 後半に入っても勢いは止まらず、48分には再びCTBアールズがこの日2本目となるトライを奪います。ロシアは終始セットプレーが安定せず、スクラムでは崩され、マイボールのラインアウトでも度々相手に奪われるなど全く良いところがありません…。それでも50分にはFBアルテムエフが敵方守備陣の隙を突いてトライ!9分後にはWTBシンプリケビッチも、ラインアウトから最後は左コーナーに力強く前進してグラウンディングします。一挙12得点を奪い、ようやく「ベアーズ」もここで盛り返してきました。しかし、健闘を見せたロシアの反撃もここまで…。その後はアイルランド代表のFBカーニーらが続けざまにトライを重ね、終わってみれば62対12で試合終了。マン・オブ・ザ・マッチには見事17得点を決めたSOオガーラが選出されました!H� ��ストを前に左右跨がって7CG(計8本中)を記録。前半のラストプレーとなったCGは惜しくもポストに嫌われて外すも、ほぼ完ぺきな成功率でした。プール1位通過に王手をかける3連勝を果たしたアイルランドは次戦、南島ダニーデンにて同組イタリアと相まみえます。スタンドから沸き起こった大歓声に乗って、ロトルアでの今大会"最後の夜"はフィナーレを迎えたのでした。 後半に「ベアーズ」が意地のトライを見せ、一斉に大きくはためくロシア国旗。
近年、ロシアではラグビー人気が急上昇。熊の着ぐるみ姿も実にお似合いです。
チームを勝利へと導いたのは陽気なサポーターのおかげ。「アーイルラーン!」
帰り際、即席の「ハカ(マオリ民族舞踊)」を地元の少年らが披露。完成度◎!
バス発着所にできた大行列。今宵も乾杯の一声が街中から聞こえてきそうです。
<了>
posted by rugby2011_wc20n |23:27 | コメント(0) | トラックバック(0)
マーガレット·ミードは誰であり、彼女は何でした
2012年01月20日
【RWC2011 in NZ⑦� align="left"/> 乗船後、車両積載用デッキを横切り、螺旋階段を上に昇って行きます。
乗客ロビーには観光案内所も併設、電話もWi-Fiインターネットも完備。
カフェテリアすぐ傍のラウンジでは前方180度の眺めが一望できます。
カフェテラスにて海風に吹かれながらすするコーヒーの味は格別!?
船から見下ろした港町ピクトン。周囲は緑に包まれ、のどかな雰囲気。
ブルーブリッジ社が運航する、本船とは別のクック海峡横断フェリー。
窮屈な檻に入れられた家畜牛たち。身動きがとれず、困惑の表情…。
汽笛を鳴らしていざ出航!ピクトンの街並みが徐々に遠のいていきます。
複雑に入り組んだクイーンシャーロット湾(フィヨルド)の海岸線。
途中90度も右へ大きく急旋回!狭い入り江を縫うようにして進みます。
南北両島に挟まれたクック海峡から北側はタスマン海、南側は太平洋。
出発から約1時間、目を遠くに移すとクック海峡が見えてきました。
クック海峡上から見た南島。本当にあっという間の6日間滞在でした。
そして前方には北島が姿を現しました。目的地到着まであと少し。
本船とは逆に、これから南島・ピクトンに向かうブルーブリッジ号。
上甲板に置かれたベンチで、思い思いにくつろいでいる乗客たち。
風が強いウェリントンは別名「風の街」。回り続けるのは発電用風車。
オリエンタル湾を囲む小高い山々の斜面に広がるウェリントン中心街。
翻って同湾を挟んで北側には、雪を被ったタラルア山脈が望めます。
2日後に試合が行われるウェリントン・リージョナル・スタジアム。
スタジアムの向こうにそびえるのはビジネス街や官庁関連等の高層ビル。
船から降りる乗客でごった返すエスカレーター。RWCサポーターも多し。
シャトルバスに乗って市内中心部に向かいます。今晩もバッパーで宿泊。
■NZ政治・経済の中心地であるウェリントンは同時にモダンアートの街 ニュージーランドにおける政治・経済の中心地である首都ウェリントン。NZ第2の都市規模を誇る人口約35万人のこの街はオリエンタル湾を取り囲む山腹の隅々まで及び、平地が少なく、坂道が多いことでも知られています。季節を問わず、一年中強い風がクック海峡から吹き付けるため、別名「ウィンディ・ウェリントン」としても有名。最大都市オークランドと比べてみても、やはり首都だけあって街並みはだいぶ洗練された雰囲気です。タウンホール周辺から、目抜き通りであるウィリスストリート・ラムトンキーに沿って国会議事堂まで続いているのが、高層ビルが建ち並ぶ官公庁区とビジネス街。背広を着こなしたフォーマルな装いで、街中を忙しそうに歩く姿が多く見受けられます。一方、その南に位置するキューバストリート� �ポップなムードが漂う若者が集まるファッション文化の中心地。街中の至るところにはオブジェが建てられ、ここが"モダンアート・シティー"であることを実感させられました。 マオリ語で「私たちの場所」という意味の、NZ最大の博物館テパパ。
NZを含めて計10カ国のプール戦がここウェリントンで組まれています。
先住民マオリにとって神聖なる集会所だった「マラエ」が実物大で再現。
テパパから眺めるオリエンタル湾、及びヨットが多数泊まるマリーナ。
市役所に隣接するタウンホール周辺から、中心街を目指して北へ移動。
ウィリスストリートから向かって左手の目抜き通りラムトン・キーへ。
夕方の通勤ラッシュ、家路に向かうスーツ姿の人たちが目立ちます。
ラムトン・キー駅と植物園すぐ南のケルバーン駅を結ぶケーブルカー。
標高122mの終点ケルバーン駅まで文字どおり一直線に続いている線路。
赤い車体がケーブルカー全体のレトロ感をより一層引き立てています。
ケルバーン駅すぐ隣の展望台から見渡すNZ首都・ウェリントン市街地。
人類初のエベレスト登頂を果たしたエドモンド・ヒラリー卿はNZ出身。
メインストリートのラムトン・キー北端周辺に位置する国会議事堂。
くっきりとライトアップされた、アールデコ様式のウェリントン美術館。
シビック・スクエアに設けられた、W杯期間限定のラグビーコート。
■まさかのアイルランド戦敗北を喫したワラビーズが米国相手に圧勝! さて、いよいよ迎えたプールC・オーストラリア対アメリカ戦当日。目指すのは本日の試合会場となるウェリントン・リージョナル・スタジアムです。スーパーラグビーに所属するハリケーンズの本拠地でもある同スタジアムでは、トーナメント準々決勝も含め計8試合が組まれています。 キックオフまであと1時間半、鉄道駅から程近いこともあって、すでに駅の周辺にはサポーターの人だかりでにぎわっていました。大半が鮮やかな黄金色に染まったワラビーズサポーター。一方、USAサポーターは少ないながらも個性的なコスチュームが目に付きます(おそらくほとんどが地元のニュージーランド人)。アメフト風の防具を身にまとった少年や、星条旗をモチーフにしたチアリーダーとバニーガールに扮した若い女性たち…。毎年ここでは、観客の"派手なコスプレ"で有名なIRBセブンズワールドシリーズNZ大会が催されているからか、他都市に比べて工夫を凝らした衣装が多く見受けられました。 《MAP》
スタジアムへ向かうにはまずウェリントン鉄道駅を経由して行きます。
駅構内で大勢の観客の案内役を務めるボランティアスタッフの方たち。
重厚な造りの駅舎からスタジアムへ、途中長いホームに沿って進みます。
視線の先に現れたのが、ウェリントン・リージョナル・スタジアム。
スタジアム入口に施されたマオリ独特の装飾が観客の目を引きます。
スタジアム入場から程なくして指定された席にたどり着くと、ピッチ上ではすでに両チームともウォーミングアップを開始。そして注目の先発メンバーの発表が始まりました。なんとオーストラリア代表LOホーウィル、そしてアメリカ代表ではFLクレバーが欠場(ベンチ外)するなど、共に主将を欠く中での試合に臨みます。とりわけクレバー選手の負傷やコンディション不良に関するニュースを事前に耳にしなかったので、いささか疑問に感じる采配ではありますが…。そのアメリカですが、15日のロシア戦で今大会初勝利を挙げました。目指すは過去の大会で達成できなかった通算2勝です。ワラビーズことオーストラリアに目を向けると、先日のアイルランド戦敗北を払拭するためにも勝利はもちろん絶対条件。逆転となるプールC1位通過� �可能性も懸かるため、内容でもいかに相手を圧倒できるかがこの試合の見所となりそうです。 「10、9、8…。」恒例のファンによるカウントダウンによって本戦キックオフ!試合開始早々、スタジアム内は怒涛の"USA"コールが響き渡ります。格下という位置付けのアメリカを判官びいきで応援したくなる、ラグビー王国NZサポーターの余裕からくる遊び心かもしれませんが、とりわけKIWI(ニュージーランド人の愛称)にとって、お隣オーストラリア代表「ワラビーズ」は宿命のライバル。いつも以上に地元キウイの声援が飛び交っているように感じられました。そんな頼もしい(?)後ろ盾を得たアメリカは序盤から好スタート。ブレイクダウンから相手に奪われることなく、手際良くボールを出して攻撃にリズムが生まれます。ところが少しずつ前進はできていたものの、前がかりになった守備陣の穴を、スピードで勝るワラビーズは� �逃しません。前半7分、敵軍の一瞬の透きを突いたターンオーバーから最後はCTBホーンがトライを決めて、ワラビーズが先制点をもぎ取ります。わずか3分後にはFBビールの突破を起点に左サイドへ展開し、FLエルソムがトライ!10点をリードされたアメリカでしたが、再びペースをつかむと敵陣ゴールライン前の攻防からスクラムの末、FLバサウリが待望のトライを獲得して5点差に詰め寄ります。しかし、ワラビーズが30分にFBビール、34分にはCTBアンソニー・ファインガーがそれぞれトライを決めて22対5で前半を終了。FBビールの負傷による途中交代(→21番バーンズ)が気がかりですが…。 マオリ戦士による歓迎儀式後、エリス杯を挟んで入場する両代表選手。
前半が終了し、おもむろにピッチを去る選手たち。後半も熱戦に期待!
現職も含めて歴代大統領そろって"イーグルス(米国代表)"戦を生観戦!?
後半は、開始直後からトライを量産するワラビーズによる完全な独壇場。特に58分からの7分間でトライ3本を立て続けに決めたWTBアシュリー・クーパー(この試合のマン・オブ・ザ・マッチ)を始め、一挙7本のトライでアメリカを突き放します。途中、キックの精彩を欠いたFBビールとSOクウェイド・クーパーに代わってキッカーを務めたSOバーンズも、CG5本全て成功させる安定したプレーを披露。終了間際にCTBアンソニー・ファインガーが相手タックルによって卒倒し、担架でピッチ外に運ばれてスタジアムが騒然とするさなか、試合は67対5でタイムアップしました。ワラビーズは計11本のトライなどで大勝を飾ったものの、ほお骨を骨折したCTBホーンも含めケガ人が続出…。決勝トーナメント進出後のチーム編成を考えても、非常に悩ましい� ��ころです。追加招集等、今後のロビー・ディーンズ監督の決断が注目されます。 トライのシャッターチャンスの瞬間を逃すまいとカメラを構える報道陣。
後半開始早々からパワー全開の肉弾戦。これもラグビーならではの光景。
一時は一触即発の雰囲気も…、真剣勝負後はお互いノーサイド精神です。
ファンの要望にも気さくに応じる豪州代表SOクウェイド・クーパー。
帰路に就くサポーターの一行。皆、相変わらずハイテンションでした。
■アメリカ敗戦から感じたラグビー新興国の葛藤とJKジャパンの境地 試合後、足早にスタジアムを後にし、一路宿泊先のバッパーへ向かいました。ナイトバーが軒を並べる繁華街では今日も試合後の余韻に浸るサポーターでにぎわっています。次ぐ日は再び他都市への移動日。部屋に戻るなり手短に荷造りを済ませて明日に備えます。残りのルームメイト5人とも、周辺のパブで夜遅くまでラグビー談議に興じているのを想像しつつ床に就くと、浮かない表情で帰ってきたのがジェイソン君。はるばる出身地の米フィラデルフィアからNZにやって来た彼は、幼少の頃からラグビー漬けの人生を送ってきたそうで、アメリカ人にしては珍しい正真正銘のラガーマン。今でも、所属する現地のカレッジにてプレーしているそうです。初対面でフィラデルフィアと知った際には、「フィリーズ(MLBナ・リーグの強豪)の� �ァンですか?」と聞いてしまいましたが…。幸い野球にも関心があるようで、その時はフィリーズの話で盛り上がりました。そんなジェーソンに、ずっと気になっていた今晩の米国代表スタメンについて聞いてみました。「そういえば今日はFLクレバーが欠場してたね。ベンチにも入ってなかったけど…。何かケガでもしたの?やっぱりキャプテンがいないとチームの士気が下がっちゃうよね。」終始浮かない表情のジェイソン…。「本当に失望したよ。特に監督ね。もう彼は試合前からオーストラリア戦を捨てていたんだ。敗北という結果は変わらなかったかもしれないけど、絶対にベストメンバーで挑むべきだった。目先の2勝という"勝ち星勘定"のために、強豪相手に真っ向から挑めるチャンスを逃してしまったんだ。後半はもう完全� ��気持ちで負けていたし…。イタリアとの最終戦が心配だね…。W杯はどのチームも強いはずで、計算して勝てるほどそんなに甘くないよ!」感情を抑えながら語る彼の話に耳を傾けるうちに思い起こしたのが、我がジョン・カーワンHC率いる日本代表のオールブラックス戦。結果は皆さんご存じの通りですが、全力を尽くして負けるのと、ただ単に受け身になって負けるとでは、実戦で得られる経験値は桁違いです。それは次回W杯出場権取得のための"2勝"を挙げることよりも価値が高いはず。すでに日本代表は、ここNZで24年前に行われた第1回W杯から全大会での出場を果たしています。もうW杯出場が目標ではありません。さらなる高みに這い上がるためには、まず今よりもさらに強くなること。そのためにも大舞台での持てる力を100%出し 切った真剣勝負を1試合でも多く経験する必要があります。ジェーソンも曰く、日本に限らずアメリカも含めた「ラグビー新興国」にとって、いかに長期的な視野で代表チームを強化できるかが、今後"プーマス"ことアルゼンチンのように「強豪国」にステップアップするための鍵を握っているのです。 そんなこんなで結局、今宵はジェーソンと夜遅くまで熱いラグビー話に花を咲かせていました。せっかく早めに翌日のための準備をしたはずでしたが…。お互いの代表チームの健闘を祈りつつ別れを告げ、それぞれ次なる目的地へと向かいます。W杯が終わってぐっすり眠れる日が来るのは、まだだいぶ先のようです。 <了>
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産科病棟の看護師は何ですか
2011年12月31日
【RWC2011 in NZ⑥� align="left"/>
■新完成のオタゴ・スタジアムにてイングランド41対10の勝利も…。 NZでも離島にのみ生息する「生きた化石」、トゥアタラ。博物館にて。
インバーカーギル観光案内所内に併設されたサウスランド博物館を見学した後、バスに乗って再び南島縦断の出発点だったダニーデンに舞い戻りました。本日の試合、イングランド対グルジアはナイトゲーム(午後6時キックオフ)。試合会場となるは、今年8月に完成したばかりのオタゴ・スタジアムです。国内初となる屋根付きスタジアムでありながら、ガラス張りでできている天井のおかげで天然芝の生長にも問題ない仕組みになっています。何よりも、全体的にコンパクトでシンプルながら洗練されたデザインが素晴らしいです。 《MAP》
こちらダニーデンも桜満開の季節、春真っ盛りです。
国内最古の歴史を誇るオタゴ大学。NZ代表監督ヘンリーの出身校。
地元クラブ本拠地はカリスブルックからオタゴ・スタジアムに移転。
バックスタンド最前列から。スタジアムの真新しさが伝わってきます。
ゴールポスト裏の指定席からの眺め。今晩はこちら側からの観戦です。
NZでは試合観戦のおともに揚げたてのフィッシュ&チップスが定番。
スコットランドの民族衣装「キルト」をまとい、行進するパイプ隊。
選手入場に沸くサポーター。あちこちに見えるのはイングランド国旗。
スコットランド伝統音楽における代表的な楽器、バグパイプによる重厚なメロディーが流れるなか、両チームともピッチ上で入念にウォーミングアップ。常に泥臭く果敢にタックルを試みるプレースタイルから「狂った犬(Mad Dog)」と呼ばれているイングランド主将のFLムーディ。今なお愛称「ジョニー」として親しまれ、2003年W杯優勝の立役者となった同国ラグビー界の英雄・SOウィルキンソン。そして驚異的なスピードと豪快なスワンダイブ(度々注意してきたジョンソン代表監督も半ば呆れ気味…)がファンを魅了する新鋭WTBアシュトン…。「赤い薔薇」ことイングランド代表は、実に個性溢れるスターが勢ぞろいです。しかし、2011年の欧州シックス・ネーション王者ながら今大会は何かと不安の多い同代表。プールB初戦では勝ちはしたものの、内容ではアルゼンチンに押され気味の展開でした。ラグビー以外でも一部選手のスキャンダルが跡を絶たないなか、難しい局面に立たされています。ただ、一部"判官びいき"の地元サポーターを除けば、ほとんどがイン グランドから駆け付けた熱心なファン。国歌斉唱でも際立った彼らの大声援は心強いはずです。一方、対戦相手のグルジア代表は初戦で難敵スコットランド相手に善戦。国内におけるラグビー競技環境は決して良くはないにも関わらず、近年着実に力を蓄えてきています。初出場は2003年W杯、2007年のフランス大会ではナミビアから30対0で初勝利。現時点における目標は前大会の成績を上回る2勝です。 試合は早速キックオフされるや否や、開始5分でイングランドが先制。ハーフウェイライン付近から抜け出したNZ出身のCTBハーペイが中央寄りにトライ。この日キッカーを務めたSOフラッドが難なくCGを決めて7点を獲得します。グルジアも序盤に先制を許したものの、徐々に相手陣地内を占めるようになると、10分には混戦からWTBマチュハネリがゴールラインを越えてグラウンディング。しかし、判定はノートライ。中央からのPGを与えられるも外してしまいます。その後も、グルジアが何度も両サイドからトライ寸前まで攻め入りますが、イングランドのバックス陣がゴールライン手前で奮闘。ラインアウトも奪われるなど、セットプレーに難があるグルジアはなかなか好機を活かせません。すると24分、再びCTBハーペイがカウンターからト� �イ。イングランドはCGも加えて14対0と突き放しますが、両チームPG加点後の45分にHOハートリーがシンビンで退場。前半終了間際にはようやくグルジアが、またもビデオ判定も左サイドからこの試合初トライを決めて(CGも成功)、17対10。拍手と供に「グルジア」コールが鳴り止まぬなか、長かった前半が終了します。テリトリー(陣地)率で約8割とはるかに上回るグルジアを相手に、イングランドはカウンターに依存する展開が続きました。 後半に入ってからも同様、自陣内でのプレー強いられる時間帯が続くイングランド…。しかし、個人の力(特にバックス陣)では相手を大きく上回る同代表はここからトライを量産!WTBアーミテージ、CTBトゥイラギ、さらにWTBアシュトンの2本と、連続でトライを重ねて一気に勝負あり。結局、計6本のトライを奪ったイングランドが41対10で勝利を収めました。終始テリトリー率で優勢だったグルジアは、健闘を見せるも大金星を挙げることはできませんでした。しかしながら、マン・オブ・ザ・マッチはグルジア代表からFLゴルゴゼが選出。次戦は大会初勝利が懸かるルーマニア戦です。 代表応援のため、はるばるグルジアから駆け付けたと語るサポーター。
イングランドサポーターの皆さん。オールドファンが多いのが特徴。
試合終了後も、練習する選手を熱心に見つめるファン。視線の先は…
目の前にはSOウィルキンソンが練習中。自慢のキック復調に期待!
一方、イングランドはアルゼンチン戦に続き、なかなかボールをキープすることができませんでした。強力なフィジカルを活かして辛抱強く相手ミスをうかがい、カウンターやセットプレーで得点を挙げる…。彼らのプレースタイルを考えれば、ポゼッション率とテリトリー率は最も重要なファクター。さらに精神的支柱であるSOウィルキンソンの復活も待たれるところです。 試合後、イングランドサポーターで盛り上がるダニーデン繁華街。
ライトアップされたタウンホール内にはパブリックビューイングも。
薄暗く照らし出されるセントポール大聖堂。夜でも圧倒的な迫力!
パブリックビューイングではプールA・フランス対カナダが放映中。
■スポーツ・ホール・オブ・フェイムで見るオールブラックスの栄光 ダニーデン鉄道駅2階にある博物館、「スポーツ・ホール・オブ・フェイム」。館内にはNZスポーツの栄光と歴史にまつわる展示品が並んでおり、とりわけ"オールブラックス"コーナーでは貴重な資料や物品が目白押しでした。そのうちの一部を下記写真にて紹介したいと思います。 NZラグビー史上初となる英国遠征(1905)で見せた圧倒的な強さは、愛称"オールブラックス"が生まれた由来の一つ
この"縮まないウール"が売りのスポーツジャージが、オールブラックスにおける初代オリジナルモデル。
当時をしのばせるモノクロ写真の数々。映えある名声を得た伝説の「オリジナル・オールブラックス」のメンバー。
34勝1敗で輝かしい成績を収めた英国遠征。唯一の敗北は判定で幻のトライと化したウェールズ戦(3-0)。
現在はチェルシーFCの本拠地で知られるスタンフォード・ブリッジ。往時はラグビーの試合も行われていました。
公式サプライヤーのアディダスによる広告ポスター。マオリ文化とオリジナル・オールブラックスが見事に融合!
オールブラックス初優勝から早24年…、地元開催となった記念すべき第1回ラグビーW杯ニュージーランド大会。
同大会ではオールブラックス主将としてチームを牽引したSHデヴィッド・カーク。爽やかなタッチが印象的。
記念用ブックレットでは決勝戦の先発メンバーが掲載。メインスポンサーとして日本の「KDD」の冠が付きました。
初代王者メンバーの直筆サイン集。SHカーク、WTBカーワン、HOダルトン、HOフィッツパトリック等そうそうたる面々。
若かりし頃のWTBジョン・カーワン(前ラグビー日本代表ヘッドコーチ)。1987年大会トライ王として名を馳せました。
エベレスト人類初登頂に成功したエドモンド・ヒラリー卿や、サッカー・クリケット等に関する物品も同館にて展示。
■震災後のクライストチャーチを経て、南島北端部の港町・ピクトンへ ダニーデン滞在3日目。再び北を目指して、この日の目的地であるクライストチャーチに向けて出発。バスは国道1号線をひたすら北上します。ダニーデンを発ってからおよそ2時間、最初の休憩地としてたどり着いたのはオアマルという町。オタゴ地方ならではの歴史的建造物が並ぶ市街地に加え、そこに夜間には海から戻ってくる野生のブルーペンギンが見られることでも有名です。また、オールブラックス主将のFLリッチー・マコウが生まれ育った町としても知られています。 太平洋を臨む海外線に沿って、バスはひたすら北上します。
英国風のビクトリア様式による歴史的建造物が立ち並ぶ町、オアマル。
町の雰囲気は、NZの典型的な田舎町と同じく少し寂れている印象。
海岸にはブルーペンギンとイエローアイドペンギンのコロニーが点在。
オアマル経由で、その日の内に到着した宿泊先(バックパッカー)のクライストチャーチから、翌日も再び北に向かって移動。今思い起こせば、本来ならば決勝トーナメント(準々決勝)含む計7試合が組まれていた同都市。今年2月22日のクライストチャーチ地震の発生で、ラグビーW杯への影響が懸念されてきましたが、とうとう現地大会運営組織は同都市での開催断念を発表。試合会場となる予定だったAMIスタジアムの損傷に加え、市街地に集まる多くのホテルが損壊して宿泊施設が確保できなくなったのが結果的に大きく響きました。現在でも小規模のバックパッカーを除けば、ほとんどのホテルは営業再開の目処が立っていないようです。街のランドマークとして有名なゴシック様式で建てられた大聖堂も無惨に崩れ落ち、周辺の市街地中� ��部は未だに立入禁止。パンティングツアーで知られるエイボン川や、市民の憩いの場でもある風光明媚なハグレー公園内も人影も少なく閑散とした雰囲気…。かつて「ガーデンシティ」と呼ばれた美しい街は見る影もありませんでした。古き良きイングランドの面影を残すクライストチャーチでのラグビー観戦を個人的には一番期待していたので非常に残念。一日も早い復興を心より願うばかりです。 震災から約10ヶ月、今なお不透明なクライストチャーチ復興への道。
さて、これからクライストチャーチより早朝便のバスに乗ってまず向かう先はマリンエコツアーの宝庫、カイコウラ。中でもホエールウォッチングはこの町における最大の目玉。沖合いには10種類以上にも及ぶクジラやイルカ、カイコウラ半島の先端に位置するシールコロニーでは野生のオットセイを見ることができます。また、毎年国内外問わず、海を舞台にした豊かな自然を目当てに多くの観光客が訪れるこの町は景色も秀逸。眼下に広がる青い南太平洋と、うっすら雪化粧したカイコウラ山脈が織り成す様は、まるで絵はがきのようでした。 遠くに目を移せば見えてくるのが、細長く突き出たカイコウラ半島。
目の前にそびえるのはカイコウラ山脈。山頂付近は四季通じて積雪。
カイコウラならではの魅力を余すところなく表現している壁画。
おしゃれなカフェやショップが立ち並ぶメインストリート。
町一帯は、雄大な山並みと美しい海岸線に挟まれています。
クライストチャーチとピクトンを結ぶ鉄道、トランツ・コースタル号。
海溝末端に程近いので暖流(藍)と寒流(青)が交差し、豊かな漁場を形成。
国内最大のワイン産地マールボロー。一面に広がっているのは葡萄畑。
カイコウラを後にしてからバスに揺られることおよそ3時間、ようやく南島北端部に位置する港町・ピクトンに到着!南北両島を隔てるクック海峡を渡るフェリーの発着点でもあるこの町を最後に、約1週間ほど滞在してきた南島を離れます。ニュージーランドを代表する景観美があちこちに点在する南島を満喫するのに、6日間は幾分短いような気もしますが、それでも心底からこの島でのラグビーW杯の情熱を味わうことができたと思います。惜しむらくは開催中止となったクライストチャーチ・AMIスタジアムで観戦できなかったことが唯一の心残り…。オールブラックスはもちろん、カンタベリー地方を本拠地に置くスーパーラグビー強豪・クルセイダーズの勇姿が、地元サポーターの前で再び躍動する日が来るまで、今後も陰ながらクラ イストチャーチ復興のために大なり小なり貢献していきたいと思います。 次、目指すのはニュージーランドの首都ウェリントン。23日の金曜日にはオーストラリア対アメリカ戦を観戦予定。北島に戻ってからも本ラグビー紀行はまだまだ続きます。そして、10月末の決勝戦が行われるオークランド(イーデンパーク)までひたすらバスで北上するのみ。4年に1度の「楕円球の祭典」で、オークランドを中心にNZ全土がますます熱くなっているなか、これからは北に向かうほど興奮度が増すのは間違いなさそうです! 北島行きフェリー玄関口でもある港町ピクトン。南島ともおさらば…。
<了>
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2011年12月20日
【RWC2011 in NZ⑤� align="left"/> 朝方の曇り空から、徐々に晴れ上がってきたウェリントン上空。
ウェリントン空港を発っておよそ2時間半、飛行機は南島・ダニーデン空港に定刻通り着陸。機内から出た瞬間に感じる冷んやりとした風…。やはり北島に比べるとだいぶ涼しく感じられます。天気予報によると、今晩から南島南部は寒気を伴った低気圧に覆われるとのこと。とりわけアルゼンチン対ルーマニア戦が明日行われるインバーカーギルはさらに南とあって、この先の天気を案じつつもまずはダニーデン市街地に向かいました。 機内用の紙コップにプリントされたオールブラックス・HOメアラム
ついにダニーデン空港に着陸!あっという間の空の旅でした。
ニュージーランドにかつて生息していた巨鳥・モアの骨格標本。
空港正面玄関には、W杯出場チームの国旗が掛けられています。
デニスさんが運転する乗合バスに乗ってダニーデン市街地へと移動。
1時間もしないうちに市街地に入ったバスは、終点のダニーデン鉄道駅に到着。まだインバーカーギル行きのバス出発の時間まで余裕があったので、市街地を散策することに。ここダニーデンは、クライストチャーチの大きさに続く南島第2の都市。オタゴ地方の中心都市として、ゴールドラッシュが起こった19世紀半ばから栄えてきました。とりわけ、開拓のためにスコットランドからの移民が多く押し寄せました。現在も市内各所にはスコットランド風の石造りによる建造物が多く見られ、ダニーデンが「南海のエジンバラ」と呼ばれる由縁にもなっています。 歴史を感じる重厚なたたずまいが印象的なダニーデン鉄道駅。
駅舎内も外観に劣らず立派な造りとなっています。
内陸部の岩山を縫うようにを走るタイエリ峡谷鉄道はここが発着点。
駅から市内中心部へと続くスチュワート・ストリート沿いの街並み。
オクタゴン広場後方にそびえるセントポール大聖堂は1919年に完成。
■遠くアルゼンチンから訪れた報道陣が集結、「行け!プーマス!」 ここからはNZ最南端の町・インバーカーギルへバスで直行!発着所でもあるダニーデン鉄道駅に向かうと、すでに「男」たちの人だかりが…。そこでは普段聞き慣れないスペイン語が飛び交っていました。もちろん、彼らは翌日インバーカーギルで組まれている"プーマス"の試合を目当てに訪れたアルゼンチン人。しかも、それぞれ首元にはIRB(国際ラグビー評議会)のロゴマークが入ったアクレディテーションカード(取材認定証)がぶら下げており、手元には取材用と思われるカメラも持参。そのうちの一人、「トゥクマン」出身のラグビージャーナリストにバス車上にて、現地のラグビー事情に関するお話を伺うことができました。 彼の出身地でもあるトゥクマンは、首都ブエノスアイレスから北西へ1200kmに位置し、人口50万人余り。実は、アルゼンチン国内で最もラグビーが盛んな都市だそうで、その人気は世界でも強豪国として名を馳せるサッカーを凌ぐそうです。ちなみに彼にも個人的に好きなサッカークラブとして"ラシン"(とは言ってもスペイン1部リーグ、リーガ・エスパニョーラの一員として加わっているラシンではありません)を挙げていましたが、それでもラグビーに対する情熱には及ばないとのこと。前回のW杯フランス大会での3位獲得をきっかけに、今アルゼンチンではトゥクマンに限らず全国規模でラグビーが普及してきており、1番人気のサッカーに次ぐスポーツとしてすでに認識されています。この仕事を始めるまではバリバリのラガーマンでもあ った彼は、早速プーマスことアルゼンチン代表について言及。「皆と同じような見解だけど、やっぱりいかにしてケガで次戦欠場確定の主将コンテポーミの穴を埋めるかがポイントになるよね。でも心配いらないよ、プーマスには優秀な若手も多くいるから。」しばし私たちはラグビーW杯談義に花を咲かせていました。 気付けばいつの間にか、車内ではアルゼンチン報道陣のボルテージが徐々にヒートアップしてきました。プロフェッショナルなジャーナリストと言えども、純粋に自国代表戦前に感情が高ぶるのは、私たち一般サポーターの心理と何ら変わらないものなのかと実感。「行け、我がプーマス!(Vamos,PUMAS!!)」を合図に、さながら本場のタンゴのリズムに合わせて陽気に歌い出す彼らからは、ラグビーに対するノスタルジックな思いが十二分に伝わってきました。大盛り上がりを見せる乗客たちを乗せ、バスはひたすらインバーカーギルに向けて南下します。 なだらかな丘の起伏が美しい牧草地帯が地平線まで続いています。
ひたすら草を食む無数の羊たち。オタゴ地方は羊毛産業でも有名。
牧草が刈り取られた跡がきれいに残っているのが何とも印象的。
ゴアという町に到着。終点のインバーカーギルまであと少し。
日が暮れて辺りはだいぶ暗くなってきました。時刻はちょうど夜7時を回ったところ。アルゼンチンからのメディア報道陣とも別れを告げ、今晩の宿に向かうことに。"天気予報どおりに"どしゃ降りの大雨が降りしきる中、何とか目的地であるモーテルを探し当てようやく安堵。何とかぎりぎり、ハミルトン開催のプールA・日本対オールブラックス戦の試合開始にも間に合いました。結果は7対83で日本が完敗…。モーテルに併設されたバーでは、地元のKIWI(ニュージーランド人の愛称)で夜遅くまで賑わっていました。 ■独特の風情漂うインバーカーギル、アルゼンチンが今大会初勝利! 今日はプールB・アルゼンチン対ルーマニア戦が午後3時半にキックオフ!試合会場は市街地から南に位置するインバーカーギル・ラグビー・パークです。"プーマス"ことアルゼンチン代表にとっては、先日のイングランド戦敗戦のショックを払拭するためにも負けられない一戦。一方、対戦相手の"オークス(ルーマニア代表の愛称)"は、1987年の第1回から全大会に出場しているW杯常連チーム。敗れはしたものの、10日のプールB初戦では、自慢の強力FWで格上スコットランドを苦しめました。お互いFW陣のスクラム含むフィジカル面での対決が、本戦における勝敗の鍵を握るのは間違いありません。 さて、この日は昨晩大雨をもたらした低気圧も過ぎ去り、程よく暖かいまずまずの天気。NZ最南端の都市・インバーカーギルにも、徐々に春が訪れてきているようです。南島南部の海岸線中央に位置するインバーカーギルは、ダニーデンと同様に多くのスコットランド系移民によって開拓された街です。ゆえに市内には至るところに、入植当時をしのばせる歴史的建造物が建っています。ちなみに今大会、スコットランド代表は2試合がインバーカーギルに充てられました。実に粋な計らい!本来はダニーデンにてグルジア戦が組まれていましたが、今年2月に起きた震災によるクライストチャーチ開催断念の影響を受け、スケジュール調整のため開催都市が変更されました。その変更先となったインバーカーギルですが、人口はダニーデンの 約半分となる5万人程度、地理的にも遠いせいか観光客はあまり見かけません。市内全体もだだっ広く拡がっている印象は拭えず、いわゆる「最果ての地」らしい独特の風情が漂っています。あいにく試合会場へのシャトルバスが運行されていなかったため、市内名所を巡る散策がてらに、およそ1時間かけてスタジアムに向かいました。 《MAP》
市内中心部でも道路が広いため、人よりも街の広さばかりが目立つ。
恐竜目、唯一の末裔とされるNZ原生の爬虫類「トゥアタラ」の銅像。
街のランドマークでもある、無骨で不思議なデザインの水道塔。
市街地を南北に横切る、目抜き通りのディーストリート。
インバーカーギル駅前広場。旅客輸送廃止後は貨物列車に限り運行。
ディーストリート終着点のロータリーにそそり立つ立派な時計台。
築100年以上(1906年に落成)経つ、復古調建築のシビックシアター。
1915年に建てられた赤レンガ造りのファースト教会。
ようやく試合会場のインバーカーギル・ラグビー・パークに到着!
ロトルア・インターナショナル・スタジアムと同様に大半が自由席。
こちらがスタジアム東側に設けられた屋根付きのメインスタンド。
到着時には空席が目立つほどまばらだったスタジアムも、キックオフ時刻が近づくにつれて混み合ってきました。そのほとんどが空色のコスチュームをまとい、国旗を振りかざすアルゼンチンサポーター。「プーマス」代表ジャージはもちろん、よく見ると背中には背番号10、上には"MESSI"とプリントされていたりと、サッカーユニフォームを着て応援するサポーターもちらほら。そしてタンゴの律動に乗って奏でられるアルゼンチン太鼓の音色…。会場はまるで、完全にアルゼンチンのホームゲームのような雰囲気です。スタンド全体が鮮やかなライトブルーに染まり、ごく一角にルーマニアサポーターが陣取る構図。国歌斉唱でも、スペイン語による青い集団の大合唱が辺りに響き渡り、本場ホームユニオンの応援にも負けないぐらいの� ��気でした。「…ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン、ゴー!」いざキックオフです! 試合開始前に、両チーム主将が特設ゾーンにてコイントス。
老若男女問わず陽気なアルゼンチンサポーターはとにかく元気!
シンプソン家の主人公ホーマーも「プーマス」を応援!?
演奏を終えた鼓笛隊が「ハカ」を踊り出すサプライズも!
試合開始からわずか6分、アルゼンチンは故障離脱した主将コンテポーミに代わって攻守の要を担ったSOフェルナンデスのトライで先制。3分後にはFLレギサモン、21分にはゴールライン手前に迫るラックからPRフィガロがトライを挙げるなど、前半だけでも4本のトライを決めます。途中、ルーマニアもPGとトライ1本を獲得も、終始アルゼンチンが優位に試合を進めていきます。後半に入ってからも、軽やかなステップのこなしと自由自在のパスワークを披露し、敵陣守備網を的確にかいくぐるラインブレイクが相手を苦しめる展開。また、強力FWを擁するルーマニアにも関わらず、常に優勢だったスクラムに加えて制空権を握ったラインアウトなど、セットプレーの強さも際立っていました。結局、合計6本のトライを奪ったアルゼンチンが43-8� ��ルーマニアに快勝。この日のSOフェルナンデスはキック精度が安定しており、CG5/6(本)、PGも1/1(本)と高い決定率。先制トライを含めればチーム総得点20のおよそ半分を挙げる活躍で、見事に主将欠場の穴を埋めることができました。決勝トーナメント進出が懸かる次戦の天王山、スコットランド戦に向けて弾みがつく勝利を手にしたアルゼンチン。ベストメンバーで難敵スコットランドを迎え撃つためにも、主将コンテポーミの復帰に期待が掛かるところです。 明日は再び、南島の出発点だったダニーデンに舞い戻ります。短い間ではありましたが、ここでは心暖かい地元の方々や多くの"熱い"ラグビーファンに出会うことができました。ニュージーランド本土では「最も遠い街」として認識されているインバーカーギルとは言え、大都市でなくともラグビー熱はしっかりと届いているようです。これからは決勝戦の地・オークランド目指して北へ、北へと北上するのみ。次に観戦する試合(ダニーデン、オタゴ・スタジアム)では、前回準優勝のW杯歴代優勝国の一角・イングランドと、近年急成長を果たしているグルジアが登場します。 敗戦も「イングランド戦には勝てるよ」と上機嫌のオークスファン。
ウルグアイとの最終予選を経ての今大会出場も…。次戦こそ勝利を!
10階建てビル以上の高さとあって、遠くからでもよく見える水道塔。
西の地平線の彼方に沈む夕日。再びここを訪れる日は来るのやら…。
<了>
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2011年12月08日
【RWC2011 in NZ"番外編(サッカー)"】「オークランド・シティーFCがFIFAクラブW杯2011に登場、初戦は今季J王者・柏レイソル!」
■オークランド・シティーFCの国内リーグ・ホーム開幕戦を現地観戦 いよいよ今年もFIFAクラブW杯の季節がやって来ました!昨年・一昨年はUAE(アラブ首長国連邦)で開催された本大会も、今回は再び日本に戻って開催されます。その開幕戦、オークランド・シティーFC対柏レイソルまで残すところあと数時間となりました。先月29日にも来日したオークランド・シティーFCにとって、2006・2009年に続き今大会は3度目となる出場。過去最高成績となる、2009年大会で収めた5位以上を目指します。国内リーグのプレミアシップでは2位ワイタケレ・ユナイテッドと勝ち点3ポイント差の首位。 今季はシーズン序盤から好調な滑り出しのオークランドですが、そのうち本拠地での開幕戦を現地観戦しました。 オークランド・シティーFCの本拠地「キウィティー・スタジアム」とクラブハウス。 入場料は大人1人で10NZドル(=約600円)、ちなみにシーズンパスは50NZドルだそうです。 試合公式球が置かれています。ここから審判団と両チーム選手がピッチに登場。 11月6日、場所はオークランド・シティー郊外のキウィティー・ストリート。ラグビーW杯2011決勝戦の舞台だったイーデンパークから、バスで10分ほどの所に位置しています。小雨がぱらつくあいにくの天気ながら、気温は18度前後とまずまずのコンディション。キックオフ前30分の午後2時には、この日を待ちわびていたサポーターが続々とスタジアムに集まって来ました。対戦相手は昨シーズン3位のチーム・ウェリントンです。 「球拾い」は地元のサッカー好きな子供たちがボランティアで担当。 エンブレムには火山島ランギトトと海を背景に、オークランドの象徴・スカイタワーと「帆の町(City of Sails)」にちなんで碇(いかり)が描かれています。 両チームイレブンが握手を交わし、お互いの健闘を誓います。 4-3-3という布陣で本戦に臨んだオークランドは、前半開始早々5分に相手のオウンゴールで先制。早速、序盤からテンポ良いパス回しでウェリントン守備陣を揺さぶります。縦への素早い崩しや、隙を見ればファーサイドを狙ったりとスピーディーかつワイドな攻撃を披露。"オールホワイツ"ことニュージーランド代表でも最多キャップ数(69)を誇る、主将のDFビチェリッチからは高精度のフィードが何本も上げられ、MFジェラオ(スペイン)が確実にボールキープして、味方が前線に上がるまでのタメを作ります。FW陣も縦横無尽に走り回り、やがてウェリントンが全員引いて守らざる負えない展開に。特にFWエクスポジト(スペイン)とFWディッキンソン(イングランド)、そしてFWテイド(アルゼンチン)の外国人トリオは、それぞれ持ち味を十分に発� �していました。そして43分、FWテイドが角度のない位置からゴールを決め、2対0で前半を折り返します。 いよいよチーム・ウェリントン戦のキックオフです! FWテイド(アルゼンチン)が技ありゴール!これでスコアは2対0に。 後半に入り、前半と打って変わって息を吹き返したウェリントンが2ゴールを挙げて同点に追い付きます。後半開始直後から気の緩みからかミスが目立っていたオークランドですが、徐々にペースを再びつかみ始めます。すると74分、途中出場のFWコラレス(コスタリカ)がピッチ中央からゴール前まで一気にドリブル突破し、右足を一閃!見事ゴールネットを揺らし、オークランドが再び勝ち越します。さらに5分後、今度はFWエクスポジトが巧みに相手3人をかわし豪快なシュートを決めて4対2。試合はオークランドが引き続き猛攻を続けるなかタイムアップ。今季開幕戦の前節ワイカトFC戦(アウェイ)に続く勝利を飾りました。オークランドは監督がバルセロナ出身のスペイン人、トリブリエックス氏とあって、中盤で細かくパスを繋ぐポゼッ� �ョン志向の強いサッカーを終始展開。また、前線の外国人トリオを活かしたカウンター攻撃もオークランドにとっては大きな強みでした。 スタジアムを後にするサポーターたち。熱烈なサポーターは最後まで応援チャントを歌い続けていました。 オークランド・シティーFCのホーム開幕戦を飾る白星を見届けたサポーターは一様に笑顔で帰路に。 ■アマチュア主体とは言え好調のオークランド、柏との熱戦を期待! ウェリントン戦以降も試合が続き、翌節には敵地に乗り込んでライバルのワイタケレ・ユナイテッドと対戦。終始、攻撃面で優位に立ったオークランドが3対1でワイタケレを降します。さらにオセアニア地区最強クラブチーム決定戦「OFCチャンピオンズリーグ(通称Oリーグ)」の舞台では、昨季王者のヘカリ・ユナイテッドにも2対0で快勝!その後、先月29日に来日してからも入念に準備に取り掛かっていたオークランド。2日の流通経済大学との練習試合は2対1で勝利するなど、まずまずの仕上がり具合でした。主だったケガ人もおらず、チーム全体としても最高のコンディションで今回のFIFAクラブW杯に臨みます。 一方、開催国代表として出場する、Jリーグ2011覇者の柏レイソルにとっては"格上"としても負けられない一戦。しかし、ほとんどがセミプロ選手ながらもシーズン開幕から好調を維持しているオークランドは決して侮れません。ここ最近は積極的に外国人選手による補強も敢行し、スペインからトリブリエックス監督を招聘するなど、着実にチームのレベルが上がっています。ロングボール中心だった戦術スタイルが、今ではショートパスを駆使した洗練されたサッカーへと変わりつつあります。まだ発展途上の最中であるのは否めませんが、今後さらに強くなっていくことでしょう。 緻密なポジショニングからも代表される知将ネルシーニョ監督率いる柏レイソルが順当に勝ち上がるのか、それとも縦志向のパス&ランでダイナミックに仕掛けるサッカーを身上とするオークランド・シティーFCが勝つのか…。いずれにせよ、お互い魅力的なサッカーが展開される熱戦に期待したいと思います。ついに、待ちに待ったFIFAクラブW杯2011開幕戦のキックオフです! <了>
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2011年11月30日
【RWC2011 in NZ④】@ロトルア~北島~(9/12-15)「サモアが今大会初登場、首都ウェリントンまで格安バスに乗って北島縦断」
■酪農地帯ワイカト地方、キウィの一大生産地を経てロトルアに到着 ワールドカップ(W杯)大会4日目。この日は移動日ということで、慌ただしく荷造りを済ませてチェックアウト。今日の目的地はロトルアです。明後日(14日)観戦するプールD・サモア対ナミビアを含め、ロトルアでは3試合が組まれています。残りの2試合は同じくプールDのフィジー対ナミビア戦(フィジーが49対25で勝利)と、25日のプールC・アイルランド対ロシア戦(南島からの帰路にて観戦予定)です。ショルダーバッグを肩に掛け、重いキャスターバッグを引きながらロトルア行きバスの発着点であるフェリーターミナル前に向かいました。バスの運転手がiPhoneで私の予約番号をチェックしたら早速乗車。いざ「マオリ文化と温泉の町」、観光都市ロトルアに出発です! バスに揺られること1時間、やがて高速道路から一般道路に下りてしばらくすると、遠望がきく山々とその地平線の手前まで、辺りはのどかな草原が広がっていました。都会のように視線を遮るような建物が一切ないため、青い空がいつも以上に大きく感じます。対向車線からすれ違う車も少なく、時折トラックやタンクローリーが目に入るくらい。ここ一帯は酪農で盛んなワイカト地方に位置し、至る所に牛が放牧されています。何しろ人口よりも羊が多い「羊の国」なのだから、田舎に出れば羊ばかりが群がってるかと思い込んでいたのですが、この周辺はとにかく牛の群れで野原が埋め尽くされていました。 オークランドの東側にそびえるコロマンデル山脈を突き抜けると、そこには美しい海岸線が東に向かって"豊穣の湾"ベイ・オブ・プレンティーを囲むように伸びています。次の経由地はタウランガという町。人口は約8万人、ベイ・オブ・プレンティー地方最大都市でもありながらニュージーランド有数の貿易港です。北島でも屈指の日照時間を誇るため、この地方はキウィ・フルーツの一大生産地としても知られています。普段、私たちが日本で口にするNZ産のキウィ・フルーツも、おそらくここタウランガ港から出港する貨物船で運ばれて来たのでしょう。ちなみに日本でもキウィ・フルーツのブランドとして有名な「ゼスプリ」ですが、お隣の町マウント・マウンガヌイに本社を構えています。 気が付けば陽も西へ傾き、空模様も赤く染まって来ました。バス一行はロトルアを目指してひたすら南下します。森の中をかいくぐるかのように駆け抜けること30分、眼下にはロトルア湖の大パノラマが少しずつ迫って来ました。湖の真ん中にぽっかりと浮かんでいるのはモコイア島。14世紀中頃からロトルアに住み続けているマオリのテ・アラワ族が所有する神聖なる島だそうで、神秘的な雰囲気を醸し出しています。そんな町でラグビーの試合が観られるなんて、少し不思議な感覚…。しかし"2番目(=ルア)の湖(=ロト)"、ロトルアはニュージーランドを代表するNZスポーツアカデミーが設立された場所でもあり、特筆すべきはなんとラグビーの練習メニューにマオリ戦士の訓練方法が取り入れられている点です。オールブラックスが試合� �に披露する「ハカ」は、今日も息づく"マオリ・スピリット"の代表例ですが、意外にもNZラグビーそのものに深く根付いているのです。 時刻はすでに午後5時。バスはようやくロトルア湖の南側に広がる市街地へとたどり着きました。時計塔がついたクラシックなスタイルの建物はロトルア観光案内所。各バス発着所でもあるここから約15分歩いて着く場所が今晩泊まるバックパッカーです。次の試合が2日後に組まれているとあって、ドミトリー(相部屋)であるにも関わらずあいにくバッパー内はすいていますが、明日から徐々に混んでくるはず。どんなラグビーファン・サポーターと出会えるのか、今からもうすでに楽しみです。 ■ワラビーズに勝った実力は本物、終始ナミビアを圧倒したサモア 今日は14日の水曜日。プールD・サモア対ナミビア戦が午後2時半にロトルア・インターナショナル・スタジアムで始まります。7月中旬にシドニーで行われたテストマッチのオーストリア戦で32対23と大金星を挙げたサモアは、いよいよ待ちに待った今大会初戦を迎えます。1995年大会以来のベスト8達成に期待が膨らみますが、相手は10日のフィジー戦で49対25と敗れはしたものの、大健闘した「アフリカン・イーグルス」のナミビア。4日後にベスト8進出する上での最大のライバル、ウェールズ戦も控える中、サモアにとって本戦のスターティングメンバー選考は非常に難しいところですが、現地メディア報道によるとベストメンバーでナミビア戦に臨むようです。 共同キッチンでの自炊で軽く昼食を済ませ、市内郊外にあるロトルア・インターナショナル・スタジアムに向けて出発。無料シャトルバスが発着するロトルア・コンベンション・センターまでは徒歩15分くらいでしょうか。一昨日降り立った観光案内所のちょうど真向かい側に建っています。国旗の色にちなんで「赤」と「青」で彩られた装いで意気込むサモアサポーターも多く見受けられましたが、熱気というよりは何かほのぼのとした雰囲気…。そういえばサモアはラグビーファンにとってはお馴染みのトンガやフィジーと同じく、南太平洋に浮かぶ島嶼国。開幕戦で出会ったトンガサポーターもそうだったのですが、陽気でおおらかな気質はここでも感じられました。地方都市らしい牧歌的な盛り上がりとも見事にマッチ。久しぶり� �のんびり気楽にラグビー観戦ができそうです。 風が強いものの、天気は快晴。ラグビー日和といっても差し支えないでしょう。丘のふもとに位置するここロトルア・インターナショナル・スタジアムはとにかく広々としていて開放感が抜群!屋根付きの観客席は片側のタッチライン横にだけ設けられていて、向かい側は階段席、残りは芝生に座りながら(横になりながら)の観戦となります。 少し先には標高754mのノンゴタハ山が望め、なだらかに起伏する美しい丘が目前に広がっています。都市部でのナイトゲームも悪くはないですが、やっぱりラグビー観戦はお日さまの下でのデーゲームが格別です。 試合前恒例のサモア代表によるウォークライ"シヴァタウ"を皮切りに本戦はキックオフ。前半は開始早々からサモアがナミビアを圧倒します。SHフォトゥアリイのトライで早速先制すると、今度はPGをSOピシが決めて10対0。さらにWTBアレサナ・トゥイランギがチームのもう一本のPGを挟んでトライ2本を奪い、25点の大量リードで前半が終了します。司令塔SOピシの負傷交代に加え、FBウィリアムズがハイタックルによるシンビンで退場したものの、サモアは上々の滑り出し。後半が始まってからもサモアはトライ3本をねじ伏せ、ナミビアにとっては絶望的となる展開になります。それでも果敢に敵陣に攻め入った主将のFLバーガーを中心に、徐々にナミビアも盛り返してきました。まずはHOホーンのトライでチーム初得点、さらに終盤にもトライ を獲得して意地を見せます。しかし圧倒的なスクラムの強さを終始発揮し、序盤からの猛攻でナミビアを突き放したサモアが49対12で快勝しました。やはりオーストラリア代表・ワラビーズを破った実力は本物のようです。 一方、サモアを前になす術なく敗れ去ったナミビアはこれで今大会2敗目。残りは南アフリカ戦とウェールズ戦とあって、またしても目標のW杯初勝利は厳しくなってきました。スタジアムに向かう途中お会いしたナミビア人サポーターの話によると、全人口の1割にも満たない白人しか依然ラグビーに興味を持たないとのこと。「もう少し人気があればもっと強くなれるんだけどねぇ~」と、大きなナミビア国旗をまとい、お似合いのアフロヘアを被ったおじさんは苦笑いしながら答えてくれました。「ラグビーは白人のスポーツ」という意識がいまだに少なからず残っているのには正直驚きました。まるで、アパルトヘイト政策のために国際舞台から締め出された90年代前半までの南アフリカのよう…。「それでもいつかは母国がひとつにな� ��、隣国のラグビー大国・南アフリカのように強くなりたいんだ。そのためにもまずはW杯初勝利を挙げなくては。」はるばるナミビアから1日近くかけてニュージーランドに乗り込んできただけあって、母国代表への思いがひしひしと伝わってきました。今後の"ヴェルヴィッチャース(Welwitschias)"ことナミビア代表のさらなる飛躍を、私も陰ながら応援していきたいと思います。 ■NZ最大タウポ湖、トンガリロ国立公園、そして首都ウェリントンへ 翌日朝、今晩の宿泊地である首都ウェリントン行きのバスに乗るため、ルームメイトとともにお世話になったバッパーを後にしました。出発時刻の昼過ぎまで時間があったので、とりあえずロトルア湖畔の遊歩道で散策することに。途中、地元住民の間でも人気が高いパイ専門店に寄ってシーフードパイを買いました。湖でくつろぐコクチョウやカモメ等の輪に混じって、ほっかほっかのパイをほお張りながら至福のひとときを満喫。遊歩道の東側は、ロトルアを象徴する名所・ガバメントガーデンズと温泉施設に繋がっており、隣り合わせにゴルフ場やラン園と、辺りは豊かな緑に包まれていました。また、街中でところどころ見られる様々な彫像をはじめ、マオリ族の戦闘用ワカや動物をかたどった独特なトーテムポールからも、今で� ��この町に根付くマオリ文化が感じ取れます。 待っていたバスがようやく観光案内所前に到着。今から北島最南端のウェリントンまで8時間の長旅が始まります。ここロトルアから次に向かうタウポの全域には、火山活動による大地熱地帯が広がっています。ワイマング火山渓谷や数々の間欠泉と地熱谷など、自然景観による観光スポットが点在。また、ロトルアから南に約60kmの国道1号線と5号線の合流地点には、地熱利用の発電所としては世界第2位の規模を誇るワイラケイ地熱発電所があります。 ワイラケイ地熱発電所から程なくして、今度はニュージーランド最大の湖、タウポ湖が見えてきました。目を凝らしても対岸が見えないぐらい広く、海のごとく青い水面は異なるブルーによって層を成しています。そして今バスが走っている国道沿いには、そよ風に乗って波打つ湖岸…。目を遠くに移せば、ユネスコ世界遺産にも指定されているトンガリロ国立公園の雄大な山々を望むことができます。 湖の町・タウポを発ってからおよそ2時間、先ほど遠方に見えていたトンガリロ活火山一帯の山岳が、バス車窓の正面に迫ってきました。中でも雪を被った、北島最高峰のルアペフ山(2797m)はとりわけ壮観なたたずまい。トンガリロ国立公園は世界遺産であると同時に、古くからマオリ族の聖地として信仰されていた場所でもあります。周辺は荒涼とした溶岩台地が裾野一面に広がっていました。 時計の針はすでに夜9時。一行を乗せたバスは、ついに目的地のウェリントン市内に入りました。今晩の宿はウェリントン駅前に建つバックパッカー。ニュージーランド南島第2の都市・ダニーデン行きのフライトのため、明日早朝にはウェリントン空港に向かわなければなりません。この日はチェックイン後、部屋に入るなり早々と身支度を済ませ就寝…。明日はいよいよ待ちに待った南島入りです!しかもダニーデン空港到着後は、ニュージーランド最南端の町・インバーカーギルへバスに乗って直行!ここでは17日にプールB・アルゼンチン対ルーマニア戦が予定されています。"プーマス"ことアルゼンチン代表からすれば、先日のイングランド戦敗戦のショックを本戦勝利で完全に払拭したいところです。 ちなみに、この旅で絶対に欠かせないものが目覚まし時計(2台)。最近、寝起きがあまり良くないので、明日はくれぐれも寝坊なんてことがないよう気を付けなくては…。まだまだ「ラグビーW杯2011の旅」は続くのですから。 <了>
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2011年11月15日
【RWC2011 in NZ③】@オークランド~北島~(9/11)「ワラビーズ幸先良いスタート、シティーの特設ファンゾーンは"大盛況"」
※再び久々のブログ更新となりました。来年1月までの本連載完結を目指し、週1回以上のRWC2011に関する記事更新や、ラグビー以外のNZスポーツ情報を"番外編"として今後お届けする予定です。すでにラグビーW杯2011ニュージーランド大会は、開催国代表オールブラックスの24年ぶりの優勝で無事幕を閉じましたが、「NZラグビー紀行」として、これから夏季を迎えるニュージーランドにおける観光シーズンのピークにタイミングを合わせる形での編集を考えています。次々回更新分からは、最大都市オークランドから国内屈指の観光都市ロトルア・首都ウェリントンを経由し、いよいよニュージーランド・南島に渡ります。ニュージーランド最南端の都市インバーカーギルからスタートし、各都市のラグビー観戦を経て、ゴール地点のオ� ��クランドを目指し徐々に北上…。RWC2011はもちろん、一人でも多くの方にNZならではの魅力を知っていただければ幸いです。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。 ■昨晩に続き今日もノースハーバー、晴れてはどしゃ降りの悪天候… この日のオークランドは朝方から大雨に見舞われていましたが、本日の試合会場ノースハーバースタジアムに到着した昼過ぎにはようやく太陽の光が射し込んできました。すでにひときわ目立つ黄色いコスチュームを纏ったワラビーズサポーターが多数集結(ちなみにオーストラリア出身の有名ファッションモデル、ミランダ・カーさんもこの日ワラビーズのジャージを着て来場!)。缶ビール片手に「オ〜〜〜ジィ〜」と大声で連呼している姿を目にするたびに、開催国ニュージーランドに限らず、タスマン海を隔てた隣国オーストラリアにとっても、今大会をどれだけ待ち焦がれていたのかが感じ取れました。 昼過ぎからビールを飲むのはさすがに早すぎるということで、代わりに(?)私はペットボトルのコーラを併設の軽食スタンドで購入。赤いラベルのコーラを片手に自分の座席に向かうと、笑顔が素敵な女性ボランティアスタッフに声をかけられました。「本当に惜しかったね、昨晩は。あとちょっとで勝てたのにね!残念ながら負けちゃったけど、日本は素晴らしいラグビーをしていたと思うわ。」ねぎらいの言葉を頂けたのは日本人としてもちろんうれしく思いましたが、それ以上にフランスに敗れ去った悔しさがいまだに残っていたので複雑な心境…。それでも「ありがとう、日本を応援してくれたKIWI(ニュージーランド人)にも感謝しないとね」と言葉を絞り出すと、「でも次、日本はオールブラックス戦ね(笑)」と見事に突っ込まれて しまいました…。 試合開始まであと30分となったところで、吹奏楽団が颯爽と行進しながらピッチの中央に登場しました。すでにピッチ上でウォーミングアップを始めていた両チーム選手、そしてスタジアムを埋め尽くした観客の士気を高めるためか、締めは"We Will Rock You"を演奏。それぞれのスターティングメンバーが発表され、スタジアムの大型スクリーンにワラビーズの選手が映し出されるたびに大歓声が湧き起こります。柔らかなそよ風に当たり、心地良い日差しを浴びながらの文句ない素晴らしいコンディション。最高のラグビー日和で観戦できるのかと思いきや、キックオフ直前になって雲行きが急に怪しくなってきました…。そしてまたまたずぶ濡れになるほどの大降り。本戦は雨が降りしきるなかでのキックオフです! ■眠りから覚めたワラビーズが後半から本領発揮、幸先良いスタート 序盤はともに一進一退の攻防。オーストラリアは開始早々PGを獲得するも、SOクーパーが濡れたピッチに足を滑らせたのか、大きく外してしまいます。イタリアも巧みなキックでゴールライン前にまで迫りますが、トライには至らず。先制の絶好機となるPGもボールはゴールポストの外側に…。まず先制したのはオーストラリア。再び得たPGの機会を、現地人ファンから大ブーイングを浴び続けたSOクーパーが難なく決めて3点を獲得。30分にもPGを入れてさらにリードを6点に広げます。しかし再三イタリアにブレイクダウンの局面でボールを奪取されたり、スクラムでも相手に押されるなど、敵の果敢なディフェンスに対して効果的な攻撃を展開できません。すると37分、そのイタリアがWTBベルガマスコによるPGで得点すると、前半終了前にも� �一本PGをねじ伏せ、イタリアが6対6の同点に追い付きました。 後半が始まると、SOクーパーを中心にオーストラリアのパスワークが活性化。WTBオコナーの後半投入の采配も当たり、自由自在のラインブレイクでイタリアを翻弄します。50分には、相手守備網を破ったWTBイオアネから最後にボールが渡ったPRアレグザンダーが待望のトライを獲得!ここからはオーストラリアの波状攻撃の連続で、CTBアシュリー=クーパー、WTBオコナー、WTBイオアネが鮮やかにトライを決めて勝負あり。終盤イタリアにも得点チャンスが訪れるものの、ハンドリングミスが多くパスが繋がりません。結局、オーストラリアが32対6でイタリアこと「アズーリ」を危な気なく降しました。気付けばキックオフ時には猛雨だった天候も、今は快晴。オークランドではとにかく雲の流れが早く、「一日のうちに四季をひと通り体験でき る」と言われているのもうなずけるような今日の天気でした。徐々に冷え込んできたアルバニーのノースハーバースタジアムを後にし、足早にシャトルバスに乗ってとりあえずオークランドのシティー中心部に向かうことに。次ここを訪れるのは約3週間後の南アフリカ対サモア戦。明日からがいよいよこの旅の本番です。果たしてオークランドに帰る頃にはどのような結末が待ち受けているのでしょうか…。 ■フェリーターミナル隣りに設けられたファンゾーンが素晴らしい! バスに揺られること15分、シティー中心部に到着後は目抜き通りのクイーンズストリートを北に向かって散策。そのクイーンズストリート最北端に位置し、ワイテマタ湾に面するクイーンズワーフに近づくにつれて、フェリーターミナル周辺にはみるみる人だかりが…。実は皆さん、ここ「ファンゾーン」で今日お目当てのナイトゲーム、アイルランド対アメリカ戦と、南アフリカ対ウェールズ戦を見に訪れています。中には先ほど終わったオーストラリア対イタリア戦が行われたノースハーバースタジアムから駆けつけたワラビーズサポーターの一行も。さすがW杯開催期間中だけあって、本当にラグビー漬けの毎日です! ファンゾーンにはあちこちに設置してある大型スクリーンをはじめ、フードスタンド、大会公式スポンサーである世界的ビール会社・ハイネケンによるバーラウンジもあるので、ビール片手にフィッシュ&チップスを摘まみながらの観戦ももちろんOK!また、各国ラグビーグッズ販売店、ラグビーボール型の360°投影シアターや、先住民マオリ族のダンスショーが披露される特設ステージ、さらに3Dキックゲームコーナーなども併設されています。子供から大人まで楽しめるパビリオンが一様にそろっており、実に盛りだくさんの内容でした。たとえ見たい試合のチケットを買い損ねたファンも、これぐらいの規模であればファンゾーンでの観戦でも満足すること請け合いでしょう。 今宵もいつものように周りのラグビーファンと一緒に酒を呑みながら語らいたかったのですが、明日は今大会初めての移動日。次の目的地は北島屈指の観光都市ロトルアです。これからもしばらくはNZ各地のバックパッカーに滞在するとはいえ、良くも悪くも忙しい"12人部屋"の生活も今日で最後になります。フランス人のポロ君も明日チェックアウト。互いにフランス・日本の両国代表チームの健闘を祈りました。"Good luck!" NZあるいはフランス にて、一期一会とは言うけれどまたどこかで会える日まで…。 <了>
posted by rugby2011_wc20n |10:14 | コメント(0) | トラックバック(0)
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